キング・オブ・キングス episode1皇帝誕生
セント・ヘレナから始まって、イタリア戦役に戻って、アイラウの戦いまで。なんか大河ドラマの総集編みたいなかんじ。場面転換とかやや唐突なところとか、ナレーションでの説明がないからわりとナポレオニック初心者置いてけぼり。バージェス『ナポレオン交響曲』を必死に思い出して補完しつつ見る。ジョゼフィーヌに嫉妬したり、すぐ仲直りしたりする場面とか。
元帥たちよりも、タレーランとかフーシェがたくさん出てきてておもしろいね。タレーランはファーザーのような口調でナポレオンを操ろうとするけれど、ナポレオンはオンナスキーじゃないので(女好きだけど)なかなかうまく操れない。一方、フーシェはタレーランに比べるとコメディーリリーフな役所なので、ツワイクのフーシェが好きだとけっこう肩透かしかも。せっかく出番が多いんだから、ブリュメールのクーデターではもっと活躍させてあげればいいのに。
配役がわりといい感じかも。晩年まで演じざるを得ないナポレオンの若いころがけっこうつらい。ジョゼフィーヌはけっこういい感じにオバサンであり、オバサン独特の色気もあるのでナイスキャスティング(メイドのエレオノールとか、ヴァレフスカ伯爵夫人のピチピチ具合といい感じに好対照)。イザベラ・ロッセリーニって見覚えあるなーと思ってたら、『ブルーベルベット』とか『ワイルド・アット・ハート』に出てた人なのね。タレーランがジョン・マルコヴィッチというのもすごい。ナポレオンより背が高いけど慇懃無礼で、類稀な存在感がある。フーシェは鼻がチンコ型なのでなんかイヤだ。
ダイジェストなつくりだから比べるのは酷だけれど、戦争シーンの迫力は『ワーテルロー』が圧倒的に上回っているなー。アウステルリッツとかあっという間に終わっちゃうし、ダヴー(子孫の人らしい)も一瞬しか出てこないし。
ルスタム・レザがいい味を出してた。喋らないけど、喋らないところがいい。