サンダーバード(日本語吹き替え)

 日本語吹き替え版はV6が声をあてていることに見に行く当日に気がついたので大変不安だったけれど、心配してたよりは大丈夫だった。ただ、スタッフロールにV6の歌が流れるのがちょっときつかった。
 オープニングのアニメがオシャレかつサンダーバードっぽくてすごくいい。切り絵みたいとゆうか、河出書房新社奇想コレクションの表紙の絵みたいでわりと好き。
 見ているときは夢中だったので気がつかなかったけれど、あとでよくよく考えてみると変な話だよなー。機密保持が重要だと再三言ってるわりにはアランのクラスメイトはみんな知ってるし、フッドが謎の超能力を使ったり東洋武術に通じているなんて設定あったっけ? 主役のアランも右往左往してるだけだし、なんか変な筋書き。でも、それなりに楽しめたしおもしろく見れたのは、サンダーバードのメカが1号から5号までちゃんと出てきて、ついでにジェットモグラやレスキューメカにもちゃんと見せ場があったからじゃろか? ってゆうか、最初に各メカの活躍シーンを作って置いて、それからメカの活躍の間を持たせたりつなげたりするためにストーリーをでっち上げたんじゃないのかなーと思った。スーパーマリオネーション版の『サンダーバード』本編はうろ覚えだけれど、サンダーバード秘密基地のおもちゃ(5号が針金で空中に固定されていてクルクル回る)で遊んでいた人には、各メカの発進シークエンスが再現されていたり、まんべんなく活躍しているだけで楽しめたのは納得できすぎる。メカのプロモーション映画としてはすごく良く出来ていると思った。
 メカは現代風に多少アレンジされているけれど(動きがCG剥き出しなのがちょっと残念。もっとこう、上から糸で吊っているような動きでもよかったかも)、トレイシー・アイランドの外見はおもちゃの秘密基地そのままで嬉しかった。人形じゃなくて人間が動き回っているのに違和感を覚えるほど。
 出てくる俳優がみんな知らない人ばかりだけれど、トレイシー一家はともかくとして、脇役は人形そっくりな人を集めてきていておもしろかった。ブレインズは痩せぎすであの眼鏡かければ無理矢理似せることは可能だとして、パーカーは眠そうな眼がかなり似ていると思った。そしてフッドは、人形はこの人をモデルにしているんじゃないかと思うほどそっくりでビックリしますね(映画『ストリートファイター』のザンギエフかキャミークラス)。声が麦人だから、悪いピカード艦長みたいでもある。あと、ペネロープの吹き替えが黒柳徹子じゃなかったのは残念なような、良かったような。黒柳徹子の声で華麗な格闘アクション(強いんだか弱いんだかサッパリ)をされてもにゃー。
 ゲ、ゲェー! 監督のジョナサン・フレイクスってTNGのライカー副長ということに気がついてみた。ライカー副長はTNG劇中でも出世したけれど、監督としても出世してたんだなー。言われてみれば2号がフワフワと旋回するところはエンタープライズのように見えなくもない(錯覚)。