スウィートホーム

 本編が始まる前にファミコン版ゲームのCMが入っていて懐かしい気分になってみた。
 NOKKOの演技は素朴だなー。でも金切り声だけは絶品。悲鳴と言うにはあまりに超音波的で神経に障る声は、歌手の面目躍如といったところじゃろか。この映画でほんとに怖いシーンは、NOKKOが部屋に充満して揺れ動く影に翻弄されて金切り声を出し続けるところと、古館伊知郎が白い布を辿っていったら突然眼を見開いた黒田福美がゴトンと倒れ込んでくるところだけだと思った。SFXを駆使したシーンは全般的にショボイ。ってゆうか、闇の力=電撃ビリビリはひどすぎると思うの。
 うろ覚えの記憶では屋敷に入る人はもっと居たような気がしていたけれど、実際には伊丹十三を入れて6人だけだったのでビックリしますね。古館伊知郎がAパーツとBパーツに別れるとか、黒田福美が車椅子に乗って斧でバッサリとか、伊丹十三がドロドロに溶けたりとか、強烈だから印象に残ってたんじゃなくて、単純に3人しか死ななかったからなのね。山城新吾は死んだと記憶していたけれど、生き延びたのでビックリした。
 間宮夫人(怪物形態)は山本學に似ている。
 NOKKOが間宮夫人に憑かれる部屋は、SFC版『弟切草』でミイラが居たり日記が置いてあったりする部屋のモデルじゃろか? インテリアがそのままとゆうか、構図の撮り方まで同じような気がする。
 伊丹十三が監督だと思っていたのだけれど、伊丹十三は総指揮で、監督は黒沢清らしい。最近の活躍しか知らなかったけれど、けっこう昔から映画監督してたんだ。