第1話『薔薇の花嫁』

ついに発売された『少女革命ウテナ』のリマスターDVDボックスを、PS2で再生し、テレビデオ(モノラル)で観賞します。でもいいの? ホントにそれで。

少女革命ウテナあらすじ。天上ウテナは鳳学園の生徒だが、事あるごとにアクシデントが頻発してどうもなんかの呪いがかけられてるみたい。色々な人に大変騙されぬくし決闘もする。でもまた騙されぬくよ? お楽しみに。ちょっと目を離したすきにまた騙されぬいていました。

久しぶりに1話を見ると、わりと必死に設定を説明しててビックリしますね。「薔薇の花嫁」やら「決闘の掟」やら「玉葱王女」やら…。僕がウテナにはまったのは『黒薔薇編』から『世界の果て編』にかけてのわけのわからなさっぷりをウッカリ見てしまったからなので、最初のころの分かりやすい設定列挙を見てたらはまらなかったかも。

天上ウテナのキャラクター造形が神業すぎる。男装の麗人を、性同一性障害者ではなく、「王子様に憧れるあまり、王子様のコスブレをしている」という、実も蓋もない宝塚歌劇的女の子願望の極北っぷりが素敵すぎる。「王子様に憧れるあまり、従順な女の子を演じている」姫宮アンシーと比べると、心理学用語にしたいくらい好対照であり、ウテナとアンシーが惹かれ合いつつ反発しあうのは、作劇上の理由を越えて納得できすぎる。どちらも過剰なまでに女の子であり、理想を演じつつ無自覚なウテナと、現実に逆らえないことに自覚的なアンシーの戦い、同一人物内での葛藤なのは映画版で過剰に示されているけれど、テレビ版の微妙さ加減が好き。

西園寺が嫌なヤツすぎて笑える。アンシーが好きすぎたり、冬芽との友情とか、愛せるところが一切描かれてないからだけど、他人を前に「演じる」つもりがなければ、こうゆう描かれ方(見方)をされても仕方ないのかも。ご機嫌よう、西園寺…先輩。

絵がきれい。リマスターとかじゃなくて、画面が華やか。主役級の髪の色がピンクとか赤とかあり得ない色で、脇役が茶色系統だったり。だから、茶色系統がウッカリ脚光を浴びつつ酷いことになる『黒薔薇編』が好きだとか、そういうようなことが言いてえ。

樹璃先輩と枝織とか、ミッキーと梢とか、もちろんウテナとアンシーも、愛憎や緊迫感あふれすぎる人間関係が形を変えて何度も変奏されすぎであり、つい先々を見たくなってしまうけれど、一日1話で我慢することにする。

あ。七実様が一切出て来てない。オープニングの二刀流の殺陣がかっこよすぎるのに、まさか担当が生蛸だったなんて、このころは思ってもいなかったのです…