サマータイムマシン・ブルース

好きな映画は『バック・トゥー・ザ・フューチャー』、カラオケで歌うのは『タイムマシンにお願い』、そして『少女革命ウテナ』で一番好きな合唱曲が『架空過去型<禁厭>まじない 』なぼくにはうってつけの映画じゃよねー。
うっかりタイムマシンを手に入れたアホ学生たちが、あくまでアホ全開なのが楽しすぎる。彼らはボンクラにもほどがあるほどのアホなので、戦国で自衛隊しようだとか、森蘭丸にうっかり萌えてしまう時空の旅人だったりとかすることはない。彼らボンクラジーどもがタイムマシンにお願いするのはただひとつ、壊れてしまったクーラー(断じてエアコンではないのだ!)のリモコンを、一日前の自分たちから奪い取ってくることだけなのだ! あれじゃよね、ネズミ退治のために地球破壊爆弾を持ち出すドラえもんみたいなものじゃよね。そして、ものすごくチンケな目的のためにものすごくオーバーなテクノロジーを使った結果起こる、あまりにも当然といえば当然の世界消滅の危機に立ち向かう彼らの、壮大なゆえに小さな大騒動が楽しすぎる。小さな話が大きくなって、どうでもいいような些細な伏線がのちのち大きく影響してきて、大きいんだか小さいんだかわけわかんない騒動になってしまう話が大好きなんだけれど、そうゆう話を展開するのにタイムマシンはものすごく有効なガジェットであり、『サマータイムマシン・ブルース』はアホ騒動起動装置としてのタイムマシンをうまく使いすぎていると言い切れる。
アホ学生たちがアホすぎて楽しい。アホ学生ならではのノリで過去に乗り込んで好き放題絶頂をしでかす彼らだが、タイムパラドクスによる世界消滅の危機を知った彼らがどうするのかというと、やっぱりアホはアホなのでした。空気読んでない迷惑行動を繰り返したやつらが事情を説明されてどうするのかと思ったら、事情を知った焦燥感だけふんだんに持ち合わせてやっぱり空気読めてないところが好き。
とりあえず起こっているとおりにことを起こすという『夏への扉』形式の解決なのかと思ってみてたら、オチが『ここがウィネトカなら君はジュディ』みたいに、未来の裏をかいて一歩踏み出すようなオチになっているところも好き。でも、あのヒロインってそこまで魅力的かなー。メガネっこのほうが絶対いいのに。メガネだし。
アホ学生たちの集うアホSF研の部室ってどこかで見たことあるなーやっぱりアホなSF研とどこも同じなんじゃろかーと思って見たら、作った人(わりと同年代)と出身大学同じでした。銭湯とかあったなー、行ったことないけど。貴様、見ているな! アホ学生たちがSFなんて読んでませんよーと言ってたり、SFってなんの略かわかんないとか言ってるあたり共感できすぎる。そんな自嘲を部外者のヒロインにそのまんま取られて一瞬空気の固まる変なプライドの高さとかも。