タンゴ

 実家に帰省中に暇だったので居間のビデオで見ようとしたら、微エロシーン満載でギャワー。やはりパトリス・ルコントはエロいとわかった。
 タイトルが『タンゴ』なので、『Shall we dance?』みたいにタンゴを踊りまくる話かと思って見たら、妻と妻の愛人を殺したが裁判で無罪になった男ヴァンサンと、自分の浮気(未満?)で出て行った妻のことが気になって仕方がない男ポールを、女ではなく猫と暮らすことを選んだ初老の判事(ポールの叔父でもある)が引き合わせての男ばかりのむさくるしいロードムービーなのでビックリしますね。ポールが嫉妬に狂ってヴァンサンに妻のマリー殺害を依頼しているのに、なぜ道中にポールもヴァンサンも行きずりの女とうまいことやって寝てしまうのかとか、そういうようなことが言いてえ。さすがフランス映画であり、さすがパトリス・ルコントなのか?
 車中で大音量でかかるタンゴのことをポールは「破滅と嫉妬の音楽だ」と言っていたけれど(ヴァンサンはうるさそうだったけど)、たしかにタンゴってそんな雰囲気あるよねー。『ムーラン・ルージュ』でも、嫉妬を象徴する場面でタンゴを踊るシーンが効果的に使われていたことを思い出す。
 ヴァンサンが妻とその愛人を死に至らしめるやり口がすさまじい。引いた視点だからコメディタッチだけれど、妻か愛人の視点から見ればイヤすぎるサスペンス映画であり、腕のいい飛行機のパイロットを怒らせるとおっかねーなーと思った。『ワルキューレ騎行』を大音量で流しながら突撃するので地獄が黙示録してしまう。