ロッキー・ホラー・ショー

 古式蒼然たる城にカップルが迷い込むと、そこにはセムシの執事が! という典型的すぎる深夜B級SFホラー映画な導入からどうなっちゃうのかと思ったら、その城の主はトランシルバニア星雲のトランスセクシャル星からやってきた宇宙人であり、ドラッグクイーンな衣装で闊歩するのでビックリしますね。おもしろすぎる。オープニングの歌は深夜B級SFホラー映画を讃えているけれど、豪華二本立てどころかいろいろ詰め込みすぎ。
 男も女もどっちもOKなバイセクシャル宇宙人であるところのフランクン・フルター博士がこの映画のキモじゃろかーってゆうか、キモすぎるにもほどがある。彼の城に迷い込んだカップルのブラッドとジャネットをどっちも誘惑していて、自分の作った筋肉ムキムキ人造人間ロッキーにも御執心、そしてロッキーはジャネットとやっちゃたりもする。つまり、世界はフランクン・フルター博士を中心に回っているのだと言い切れる。
 ロッキーの浮気に絶望したフランクン・フルター博士の最後の舞台は、『オール・ザット・ジャズ』のジョー・ギデオンの死出の舞台みたいじゃよねー(馬鹿にはミュージカルというだけでどれも同じに見えた)
 ホラーだけどこわくないってゆうか、ホラーと銘打っていることをいいことに変な衣装や舞台や人間を山ほど用意して出鱈目すぎて楽しいところは、大林宣彦の『HOUSE ハウス』みたいじゃよね。
 特典で小道具の使い方とか野次の飛ばし方をお教えてくれておもしろそうだけれど、御家庭で再現するには無理がありすぎる。劇場でやったら楽しいのかも。http://wing.zero.ad.jp/~zbf97446/guide.htm
 あと、トランスセクシャル星人の正式な格好(フランクン・フルター博士のグラムロックなのじゃないやつ)って、サイヤ人のコスプレみたいだなあと思った(順番が逆です)。