スクリーム

 有名なB級ホラーサスペンス映画の話がいっぱい出てくるらしいから、パロディ仕立てのコメディ映画なのかなーと思って見たら、意外とちゃんとしたB級ホラーサスペンスになっていて楽しかった。
 惨殺事件の犯人がB級ホラーサスペンス映画のマニヤなのはともかくとして、主要登場人物ほぼ全員が普通にB級ホラーサスペンス映画をよく見ているほどほどなマニヤなのでビックリしますね。「『キャンディマン』みたい」とか「ジェイミー・リー・カーチスみたいなおっぱい」とか比喩がマニヤすぎる。ってゆうか、あんまりB級ホラーサスペンス映画を見てないぼくにもわかる程度な微妙な言葉の選択がおもしろいと思った。
 マニヤの中のマニヤみたいな人が「B級ホラーサスペンス映画のルール」とか言い出して主要登場人物を犯人に仕立て上げてゆくから興醒めするかなーと思っていたら、彼の言で行けば彼自身も含めて全員がB級ホラーサスペンス映画の犯人として怪しいことになってしまってギャワー。彼が懇切丁寧に説明してくれたおかげで怪しくない人も怪しく思えてきて、これからの展開が楽しみになってくる。
 犯人がすげー馬鹿で楽しい。皆殺しにして証拠隠滅をしようとして、ついでに自分自身も死なない程度に傷つけて嫌疑を逃れようと脇腹を刺していると、目の前にいたはずのヒロインが無駄な抵抗を始めてギャワー。自分は自分でつけた傷のせいでドンドン弱っていくのに、ヒロインはたいして怪我してないからわりと元気溌剌。
 B級ホラーサスペンス映画マニヤでサイコ野郎な犯人が、「B級ホラーサスペンス映画のせいでこんな犯行を思いついた」という台詞に猛烈に反駁しておもしろすぎる。いわく、B級ホラーサスペンス映画がサイコ野郎を作るんじゃなくて、元々サイコな野郎がB級ホラーサスペンス映画にちょっと刺激されているだけなんだと。本人のお言葉なのでものすごい説得力だ。
 「ここで死んだら続編に出られない」という冗談めかした台詞は、映画の中の被害者的にも、役を演じている役者的にもけっこう厳しい台詞じゃよねー。
 男は一撃でサックリ殺すのに、女には手間取る犯人。男が泣き叫ぶところは見てておもしろくないけど、女の無駄な抵抗はB級ホラーサスペンス映画の花だと分かってらっしゃる。
 あと、「付き合いはじめたころはR指定から18禁まで一直線だったのに、今の自分たちはグロいシーンをカットしたテレビ編集版『エクソシスト』みたいじゃないか」という台詞は是非使いたいと思った。
 ドリュー・バリモアが冒頭でいきなり殺されちゃうカップルとして出ていてギャワー。若くてムチムチしてる。