グーニーズ

 子供のころ映画館で見て感激して、ファミコンのゲームを買ったりしたっけ。映画館で見て以来一回も見ていないからかなり記憶の中で美化されているような気がしてちょっと見直すのが怖かったのだけれど、全然色褪せてなくてビックリ。DVDのクリアな画質で見れてよかった。
 得難い仲間たち、海賊船、宝探しという冒険の夢がバッチリストーリーに練りこんであって、しかもお金の問題で家を立ち退かなければいけない(仲間がバラバラになってしまう)という現実的な問題で子供の夢にガムシャラな動機付けをしているところが、絶妙なバランスなんじゃよねー。今見ても色褪せてないのは、こうゆうノスタルジックな「あり得たかも知れない子供時代の冒険」を見事に映像にしているからじゃろか。「あり得たかも知れない子供時代の冒険」といえば『スタンド・バイ・ミー』を思い出すけれど、描き方は違うけれど根っこの部分は同じなのかも。そういえばどっちにもコリー・フェルドマンが出てるし。『スタンド・バイ・ミー』は大人になってからの回想で、『グーニーズ』は現在進行形の子供の視線。
 いきなりフラッテリ一家の大脱走から始まってビックリ。こんなオープニングだったっけ? チャンクのへそ踊りとか、エキスパンダーでぐるぐる巻きにされるブランドとか、どうでもいい場面はよく覚えているのに、これはすっかり忘れていた。
 片目のウィリーの仕掛けたブービー・トラップが楽しいね。意外なところに仕掛けられているスイッチもおもしろいし、スイッチに触れてからすぐに目に見えて結果がわかる罠が発動するんじゃなくて、『ピタゴラスイッチ』みたいにいくつもの無意味に見える過程を経て罠が発動するところがすごくいい。何かが起きているのに、それで何が起きるかサッパリわからんというドキドキ感がたまらん。ボーリングの玉には注意しよう。
 七人の子供すべてに見せ場があってキャラが立っていて、見ていて楽しい。人の名前を覚えるのは苦手なのだけれど、いつの間にか子供たちとフラッテリ一家の名前を覚えているのでふしぎ。チャンクは途中で別行動になるしスロースといっしょに助けに来るところぐらいしか目立たなかったと記憶していたけれど、見直すと要所要所でおいしい大活躍をしていておもしろいね。フラッテリ一家に拷問されて、泣きながら劇場に偽ゲロを仕掛けて観客をもらいゲロ地獄に突き落とした話をするところが好き。ゲロ話大好き。
 すごいインパクトのあった骨オルガンって、弾いたのはアンディだったのね。てっきりステフだと思い込んでた。アンディは短いスカートでサービスしまくりなのは、眼鏡を外したら美人(でもないか)というステフが地味すぎるからですか。
 マイキーって宝物探しに必死すぎて、言ってることとかやってることがキバヤシみたいだ。「そう、すべては片目のウィリーの罠だったんだよ!」 そうだったのか、マイキー!
 フラッテリ一家は全員味があっていいけれど、中でもママ・フラッテリの存在感がすごくいい。吹き替えがジャイアンのお母さんでハマりすぎ。
 エンディングで「巨大蛸に襲われた」とか言ってて、またマウスがテキトーなことをほざいているのかと思ってたら、カットされたシーンで本当に巨大蛸に襲われていてビックリしますね。カットされてよかった。
 音声解説がついていて、当時のキャストが同窓会みたいに集まって撮影の様子を語っているのだけれど、みんなそれぞれ大人になっても当時の面影を残しているのに、チャンクがすっかり油が抜けて普通の好青年になっていてビックリしますね。おまけにハーバート卒で有能な弁護士らしい。ゲェー!