ラブ&ポップ

 前に見たときは、あからさまにエロいカメラアングル(舐め上げるように女子高生の太腿激撮)の多用から、なぜ女子高生のスカートはあんなに短いのにパンツが見えないのかを追求する映画だと思っていたけれど、今見るとやっぱりあの角度で撮っていてパンツが見えないのが不思議。じゃなくて、日常のありふれた風景を、場所とレンズと構図を選択することでちょっと変わった風景にして見せるところが映画ならではでおもしろいなーと思った。映像見てるだけでも2時間飽きないのはすごいと思う。登場人物の主観の映像とかやや野暮ったいところもあるけれど、電車の網棚の上だとか、遮断機にカメラを取り付けたりだとか、映像の切り取り方が独特でおもしろい。またこうゆうの撮ってくれないかなー。
 援助交際をしている女子高生が主役だけれど、金を渡す側の男に優しい映画だと思う。彼らは金を払って女子高生を抱きたいわけではなくて、彼らはセックス以外で金を払わないと出来ないことを女子高生としようとする。彼らが望んでいることは一般には変態としか言いようのない行為であることを彼ら自身も自覚しているから、援助交際という枠組みが女子高生側にではなく、彼らにとっても都合のいい言い訳として機能しているところがおもしろいね。金を突きつけることでその場限りの関係を作り、その場限りだから出来ることをしようとする男たち。特定個人同士の関係ではなく、「女子高生」と「女子高生を金で買う変態」というモヤモヤした関係を互いに望んで充足している。
 今日指輪を買わないとダメなんだというのは、なんとなくわかる。なにかを欲しいと思い続けることは難しい。あんなにやりたかった『ドラクエ8』も、発売から二ヶ月も経てばもうイイやと思うようになっている。
 「あの素晴らしい愛をもう一度」が流れる中、4人の女子高生がドブ川をざぶざぶ闊歩するラストシーンはどうしようもなく美しい。ドブ川の両側は高い壁になっていてビルが立ち並んでいて、彼女たちの歩くドブ川の真上は空が高く開けている。
 浅野忠信はさすがに若いけれど、仲間由紀恵はビックリするほど変わってなくてビックリしますね。4人組の中でなんかひとりだけいい意味で浮いてるし。