わらの犬

 ダスティン・ホフマンわかーい。そして背が低い。スネーク・プリスケンみたいに初対面の人に「あなたがダスティン・ホフマン? 思ってたよりも小さいな」って言われるんじゃろか。
 アメリカの数学者が妻の生まれ故郷であるイギリスの片田舎にやってきて、なんかいろいろ噛み合わずに妻の幼馴染たちに舐められきっている。これだから田舎の生活はイヤなんじゃよねー。土地っ子に馴染めない夫は家の補修をサボられたり、飼い猫が殺されてもなにも言えない。幼馴染たちに狩りに連れ出された夫が放置プレイされている間に、妻が寝取られてついでにレイプもされるという展開がイヤすぎる。
 教会のパーティーのシーンは妙な緊迫感があって好き。次々にいろんな人の顔にカメラが切り替わりつつ、周囲のざわめきがそのままだからじゃろか。
 腰抜け呼ばわりされるような非暴力主義だった夫が、酔った幼馴染たちに我が家を囲まれて腹をくくった途端に凄まじい武闘派になるのでビックリしますね。素早く部屋の電気を消して、油を火にかけ、針金をワッカにして侵入に備える様子はとても素人には見えねー。ジャック・ケッチャム『オフシーズン』の、食人族に囲まれてどうするのかと思ったら、ものすごい勢いで籠城戦をするバカップルたちを思い出したりもした。