バトル・ロワイアル 特別編

 だいぶ昔に読んだから内容はほとんど忘れちゃったけど原作が好きなので、期待半分不安半分で見てみた。600ページを超える原作を2時間にまとめるのは無理があるんじゃないのかなーと思ってたけど、わりと原作の筋を活かつつ独自のアレンジも加えておもしろい映画になっているので満足。原作同様、わけもわからないまますごい勢いでサクサク人が死んでいくスピード感がすごくいい。
 原作の坂持金八が北野武に変更されているのが一番心配なところだったんだけど、政府のおちゃらけた役人ではなく、元担任ということにして、原作とは違う味が出ていておもしろいね。なげやりで寂しい教師キタノのキャラクターは、前田亜季とうまく絡んでいてすごくいい。
 原作のほうはサクサク人が死んでいく一方でジュブナイルとしても楽しめたのだけれど(スティーブン・キング死のロングウォーク』とよく比較されていた)、映画のほうでもサクサク人が死んでいく中で原作のジュブナイルな要素もちゃんと残してくれていてうれしい。極限状態での友情とか恋愛とか、甘っちょろいところが好きだったノデ。少な目ながらも、杉村と千草と琴弾の微妙な関係をちゃんと残してくれていてよかった。
 原作で一番好きだった、灯台に立て篭もった仲良し女子グループがちょっとしたきっかけですごい勢いで『レザボア・ドッグス』のように同士討ちになるシーンが再現されていてうれしすぎる。『バトル・ロワイアル』の精神を形にしたようなシーンだ。その一方で、宇宙人を呼ぼうとした人のエピソードがバッサリカットされていてやや残念でもある。
 原作でも強すぎて持て余し気味だった桐山が、映画だと川田みたいな転入生扱いになっているのは納得できすぎる。ってゆうか、つまんないキャラクターだから思い切ってバッサリカットしてしまってもよかったような気がしないでもない。
 栗山千明の出番がものすごく少なくてビックリしますね。ゴーゴー夕張みたいかと思ったらなんか地味だし。そして相馬光子役の柴咲コウは大活躍であり、柴咲コウが『キル・ビル』に出なかったのはある意味正解だったんじゃろかと思った。あんまり出番のなかった栗山千明ゴーゴー夕張なら、柴咲コウがユキ夕張だったらどんなことになったのか想像できなさ過ぎる。
 それにつけても、前田亜季は存在感なさ過ぎじゃよね。そうゆう役だからいいんだけど。
 スカートは短いのにパンツが見えそうで見えないなーと思ってたら(ペチコートみたいのはチラチラ見える)、フリフリのアンスコ履いてやがるんだなこの野郎。これはこれでー!(気に入ったらしい)