髪結いの亭主

 エローい! さすがフランス映画。服の合わせ目から見えそうで見えない乳首とか(そういえばけっきょく乳首なしだった)、太腿とその奥の陰影とか、さすが世界に冠たるエロ民族なだけにエロ心がわかってらっしゃる!
 ギリギリで見せる見せないという方向性ならば、ヒヒ爺のフェチ気味なエロスになってしまいそうなものだけれど、現在のアントワーヌ(エロ爺)と過去のアントワーヌ(好奇心いっぱいの少年)を効果的に頻繁にダブらせているから、爺のエロシーンにも少年の瑞々しさが滲み出ていていいかんじなんじゃよねー。女美容師の魅力に捕まった子供が、大人になって夢を実現させる。俺、髪結いの亭主じゃないとダメなんです!
 言葉とセックスが乖離してないのもフランス映画らしいところなんじゃろかー。精神的な愛が上滑りの言葉に流されることがなく、肉体的な愛が貪るだけで終わることがなく、双方いいかんじ交じり合った中年女性と初老男性の間のエロチックな関係を、少年のウブな視線も絡めているところがすごくいいね。
 少年アントワーヌが憧れた髪結いの女が美人ではないところがすごくいい。豊満というにはやや太りすぎで、体臭のキツイ赤毛の女。でも少年にはそれぐらい強烈なほうが印象深いんじゃよねー。髪を切ってもらいながらノーブラの乳房を覗き見たりとか(ち、乳首、もうちょっとで乳首が!)、髪を洗ってもらいながら体臭を嗅ぐところなんて、床屋ならではシチュエーションであり、ああもう、エロいなー畜生。しどけなく眠る彼女の太腿の奥を覗こうとしていると、後ろから警官隊が突入、じつは彼女は鎮痛剤の飲みすぎで死んでいたのだというシチュエーションは、すさまじく理想的なトラウマだと思った。こうゆうエロさをエロゲーにも導入するべきなんじゃよー!(バカはなんでもエロゲーにしたい)