１１巻
リガ・ミリティアと連邦軍はハイランドに集結、エンジェルハイロウを擁したザンスカール帝国軍との艦隊戦がはじまる。ホワイトアークは戦場のドサクサでエンジェルハイロウ方面に流され、シャクティはファラ・グリフォンに捕まりタシロの下に連れて行かれる。
ウッソ父ことジン・ジャハナムことハンゲルク・エヴィン初登場。ウッソをはじめとして、だれも驚かないのでおもしろい。ミューラがゲリラ丸出しの烈女だったからかもしれないけれど、ハンゲルクはわりと普通の人っぽい。普通の人ががんばってジン・ジャハナムという仮面を被ってリガ・ミリティアの頭をはっているかんじ。ウッソはジン・ジャハナムとしてのハンゲルクによそよそしさを感じているけれど、ハンゲルクもパイロットとしてのウッソの成長に驚きを隠せない。ハンゲルクとムバラク将軍のやりとりは、男親の複雑な心境を素直に語っていておもしろいね。指揮官と一パイロットして戦場に立ちながら、同時に親子であることがわかるところも好き。関係ないけれど、ムバラク将軍はレビル将軍にそっくりすぎると思った。
シュラク隊の新隊員、フラニーとミリエラを確認。登場自体はけっこう前ってゆうか、マーベットからミューラの生首を回されていたところにいたと思う。ジュンコ直系の弟子であり、ウッソへの修正（どっちがきれいなおねーさん修正）もジュンコ譲りなのか？ 今度こそ冬コミはいただきなんじゃよ？ 変なシールドを使いこなせなかったフラニーはいきなり死ぬかと思ったら、とりあえず生き延びてよかった。
ザンスカール側も人員を一新、クロノクル（カテジナ）はモトラッド艦隊からエンジェルハイロウに下がったらしく、モトラッド艦隊はピピニーデン（配下にルペ・シノ）が率いている。さらにタシロが復帰していてビックリしますね。カガチはムッターマ・ズガンと組んでエンジェルハイロウに。時間稼ぎで連邦軍と停戦したというのも納得できるグチャグチャな編成。エンジェルハイロウという超兵器を巡って、ザンスカール内部の綻びが表に出てきているのがおもしろい。一度はタシロをギロチンにかけようとしたカガチも、敵を抑えるためにはタシロの力を借りねばならない。タシロにしてもズガンはおろかカガチの追い落としも考えているし、それはタシロ配下にあるピピニーデンも同じであり、味方同士の足の引っ張り合いやザンスカール側の内部分裂が今後の見所じゃろか。
ギャワー！ 鈴の音に乗ってファラ・グリフォン再登場。ギロチン使いの汚名からは逃れられないと悟ったのか、乗機はザンネック。ファラが目の前を通ると一般兵は十字を切るぐらいすごいことになっている。メッチェの代わりにならんとかいって味方の兵士を射殺してるし。鈴の音理論はサッパリわからないが、とにかく戦場は鈴の音で満ちているらしい。
鈴の音、エンジェルハイロウと怪しいものが増えてきたせいか、敵味方問わず「ニュータイプ」という言葉が頻繁に囁かれるようになっておもしろいね。シャクティも受信機の感度を最大級に上げているので、リーンホースジュニアのレーダーとしてブリッジに呼ばれたりしている。秋山完『ペリペティアの福音』のフレンみたいなものじゃろか？ カルルマンは鈴の音レーダー？ 親子ともども感度良好なのか、シャクティはマリアのレーダーに引っかかるし。
ルペ・シノがいきなり大暴走してビックリしますね。ドレスを着てピピニーデンを挑発したかと思ったら、ウッソに向かって「私の中でお眠りなさい。じゃって女は海じゃろ？」とわけのわからないことを言って突撃、ウッソに「迷惑です」と断られるとションボリ帰ってきてピピニーデンのビルケナウに取りついて爆死。ウッソに振られて自暴自棄になったんじゃろか？ やっぱりキスは若い男のほうがいいですか？ 噛んでここ噛んで噛んでよぅ（吉原炎上）ですか？ ピピニーデンは「椅子を尻で磨くだけの男で終わるものかよ」と言った舌の根も乾かぬうちに死んじゃって呆然。
V2は高そうだからV1みたいなブーツアタックはもう見られないのかなーと思ってたら、マチス・ワーカー直伝のブーツ突撃大作戦が見れたので嬉しい誤算。ウッソたちの戦法をマチス・ワーカーが真似をして、さらにウッソが応用。
またシャクティが病気を起こしてギャワー！ シャクティはザンスカールに接近すると「私が捕まれば済む事ですから」という持病の癪が起きるらしい。それでミューラが死んでいるのにも関わらず、なぜシャクティはザンスカールに行きますか？（病気だから） 今回は味方ではなくザンスカールのキスハールとカリンガが巻き込まれて死亡。ふたりは「帰ってきたら結婚しようの法則」も見事に実践していらっしゃった。シャクティは自分の価値が他人に利用される価値でしかないことに気がついていないのかなーと思っていたら、タシロに向かって「シンボルを演じて見せましょう」とも言っているし、自分が元凶の一端を担っていることに耐えられないからなのかしら。どちらにしても果てしなく迷惑だ。
