10巻

 停戦監視の傍らカサレリアに赴くホワイトアーク。しかし、べスパの一部は停戦協定を破ってホワイトアークに襲いかかる。べスパのラゲーン基地で修理をしていたリーンホースジュニアは超高空からビーム攻撃を受け、再び宇宙に向かう。
 停戦中なのに襲ってくるべスパは、ひたすらVガンダム=ウッソを狙ってくるところがおもしろいね。反べスパの象徴として戦ってきたガンダムは、あまりにも活躍しすぎあまりにも殺しすぎたがゆえに、停戦後も恨みを一身に背負って狙われ続けることになる。
 この巻の前半は、ドゥカー・イクのバイク乗り立志伝の完結編じゃろかー。Vガンダムを見直して一番の収穫は、ドゥカー・イクという男の生き様をつぶさに見れたことだと断言できる。38話『北海を炎にそめて』は、家の絵を描いているレンダ→それを見てプロポーズするドゥカー・イク(バイク乗りになるのを反対した母のペンダントをレンダにつけてやる)という、冒頭から「帰って来たら結婚しようの法則」が炸裂しており、まさにバイク乗り立志伝の終幕として相応しすぎる展開だった。
 ツインラッドに乗って御満悦のドゥカー・イク。「バイク乗りの血が騒ぐ」。
 やっぱり馴染めなかったらしく、バイク戦艦の艦長席に戻っているドゥカー・イク。「バイク乗りに空は似合わん」 だってほら、地上を走ってないと不安な気持ち…わかるでしょ?
 上から狙われててヤバイのに地上を疾走することに拘るドゥカー・イク。「バイク乗りは空を飛ばんのだ!」 レンダは飛んでくれと思ってた。
 最後まで地上を走ることに拘ったドゥカー・イクは、バイク戦艦のブリッジをオデロに撃ち抜かれてレンダともども戦死。煙を上げるバイク戦艦からバイクに乗って旅立つドゥカー・イクとレンダのイメージ映像が延々続くのでビックリしますね。こ、ここは感動するところなの? バイク乗りの魂はいつまでも八角形のログハウス(レンダ画)の上を飛ぶんですよ。ドゥカー・イクは死んでもバイクを離しませんでした。ついに死んじゃったかと思うと感慨一入であり、けっこうショック。『新選組!』でいうと、芹沢鴨死亡のときぐらいショック。
 地球の生々しい臭いに慣れないエリシャとマルチナは、鯨の骨が山積みになっている島の光景と死臭にショックを受け、なんか死に関する観念的な思想に現実逃避。わりとガンダムのエコ思想はわかるような気がするのだけれど、これはちょっと唐突すぎ。地球を綺麗にすれば綺麗に死ねるんだという結論で一応決着がついたみたいだけれど、次の回でタンカーを破壊して重油で海洋汚染してたのでダメだと思う。戦争中だから仕方ないのか。
 粘り強くエリシャにアタックを続けていたオデロは、ついにお守りと引き換えにエリシャのキスをゲットすることに成功してみた。そうか、ここでお守り渡しちゃったからオデロは最後の最後で死亡フラグが発動したのか。豪運が唸り爆運が炸裂する阿修羅級の霊験を期待するなら、キスじゃなくて陰毛をもらわないと(小説版ガンダム)。あ、でもセイラさんの陰毛もらったアムロも死んじゃったしなー。ここは一発オリファーを見習ってごらん?(冬コミに期待)
 マーベットにさりげなく妊娠の兆候。でもすごい勢いで腹を殴られていたが(モビルスーツの)、大丈夫だったんじゃろか?
 ドムットリアの変形はやる気がなさすぎると思う。
 マチス隊の戦法は、最初期のウッソたちの戦法と同じであり、つまりブーツ体当たり大作戦。どうせ連邦軍に接収されるなら白いやつにぶつけてやれということらしい。ウッソが久々にゾロを相手にして、自分が強くなったこと実感するところがおもしろいね。最初の頃はウッソの技術も未熟だったし、ザンスカール側にしても破壊ではなく捕獲が目的だったら互角だったけれど、今では決死のブーツアタック作戦を展開してもウッソに軽くあしらわれてしまう。
 V2は強いなー。V1のころのような泥臭い戦いは望むべくもないのかしら。ってゆうか、光の翼は反則技だと思う。万能すぎる。
 ホワイトアークって子供やマーベットしか乗っていないような気がしていたのに髭おっさんが常任で乗っていておかしいなー記憶違いかなーと思っていたら、カサレリアで髭おっさんたちを降ろして宇宙に向かうので記憶の辻褄が合った。エリシャやマルチナは降りるべきなんだろうけれど、オデロ・ウォレンといい感じなのでいっしょに宇宙に行くみたい。ってゆうか、やっぱり地球の臭いは苦手なのか? 結婚できない!
 鈴の音が聞こえ始めてギャワー! 知っているか? 死刑執行人(ギロチンを使う人)の家系の者は、街を歩くときに鈴の着用が義務付けられていたという。ファラ・グリフォン復活の狼煙としてこれ以上相応しい挿話もあるまいて。

  • シュラク隊残高
    • + なし
    • − なし
    • 残高 コニー、ユカ 計2名