ヱヴァンゲリヲン新劇場版 破

ヱヴァンゲリヲン新劇場版 破』あらすじ。アスカはエヴァンゲリオン弐号機パイロットでわりとヒロイン的なポジションだが、事あるごとにアクシデントが頻発して どうもなんかの呪いがかけられているみたい。色々な事に大変苦しみぬくし、テレビ版にあった活躍シーンを削られたり、名字が変更されたり、ヒロインの座と弐号機を奪われたりもする。でもまたヒロインの座と弐号機を奪われるよ? お楽しみに。ちょっと目を離したすきにまたヒロインの座と弐号機を奪われぬいていました。

話題の新キャラはあんまり気にならなかったけど、出番の少ないカヲルくんが、変態という名の紳士っぷりに磨きをかけていた。具体的にいうと、『劇場版ラーゼフォン』の「いいからキスしろ!」と無理矢理主人公と眠れる女の子をキスさせる博士くらい(わかりにくいたとえ)

旧劇場版とゆうかテレビ版の流れを知っていると、同じシーンでも前とは違う流れになってゆくのが楽しい。地味なシーンだけど、アスカとレイがエレベーターで気づまりな会話をするシーンの改変が好き。歴史改変SFとか好きだからー! 

「わたしが死んでも代わりはいるもの」と諦めてるレイに必死で喰らいついてゆくシンジの姿に、『少女革命ウテナ』の、棺の中のアンシーと助け出そうとするウテナのシーンを重ね合わせてしまったりもした。悲劇しかない場面を、力づくで捻じ曲げようとするところがすごくいいと思う。「死海文書」やら「シナリオ」やら、すべてが予定調和とゆう諦めに近い雰囲気が支配していた旧劇場版(テレビ版)の流れを裏切ってくれそうな勢いが好き。

誰か個人の意思ではなく、登場人物みんながみんなでちょっとずつ努力して物語をハッピーエンドに変えてしまおうとゆう流れもすごく好き。努力ってゆうか、みんな自分のことで精いっぱいだった旧劇場版に比べると、今回はみんなちょっとずつ他人のことに関心を持っていて、「他人のことを気にかける」という各々の小さな流れが大きなうねりになって物語を変えてゆく。『高機動幻想ガンパレード・マーチ』でいうところの、「ハッピーエンドを取り戻しに来た!」とか、人類の決戦存在が「ごく普通の、ちょっとしたお節介で、悪い流れを断ち切る」というあたり。テレビ版、旧劇場版から10年を経て、やっとみんながしあわせになれそうなところがいい。

あと、『序』でも楽しかった「使徒迎撃要塞都市 第三新東京市」の変態的な機能の数々が素敵すぎる。テレビ版では様々な制約で変態的な機能の一部しか発揮されなかったのが残念すぎたので特に。この流れだと第三新東京市はもう出てこなさそうなのがやや残念。

あと、戦車が走行中に射撃してたりとか、地味な現用兵器の描写がよかった。