テッフィ『魔女物語』 群像社

魔女物語 (群像社ライブラリー)

魔女物語 (群像社ライブラリー)

ゲーム『女神転生』シリーズで、世界中の妖怪に興味を持ったリトルおろかなわし。

短篇それぞれがロシア産の妖怪の名前になっているから妖怪大活躍の妖怪大戦争なのかにゃーと思って読み始めたら、妖怪そのものはあんまりハッキリ出てこないからずっこける。

目に見える化け物としての妖怪ではなく、不可解なことが起きたときに人間が説明としてこじつける概念や思考形態としての妖怪。つまり、「起きたら足元に枕がある→妖怪枕返しの仕業に違いないんじゃよー!」とゆう思考形態であり、民族学的ってゆうか京極夏彦的。ロシアの日常生活に息づく「妖怪」の所業を人々の生活や考え方とともに描いているのが素敵すぎ。変なことが起きたとき、一見すべて合理的に説明できそうで、でもなんだかしっくり来なくて納得できないこともある、そんな隙間に潜む妖怪たちの妖怪っぷりが楽しい。