第5話『光さす庭・フィナーレ』

ミッキーが憐れすぎる。

決闘の掟、薔薇の花嫁の掟に縛られているアンシーを解放したいという利他の目的が、実はアンシーを自由にしたいというミッキー自身の利己的な目的だったことに気付かされてしまう、それがミッキーの敗因になる。ミッキーはアンシーを薔薇の掟から解放するために決闘しているのに、アンシーは解放者たるミッキーではなく、薔薇の掟でアンシーを支配しているウテナを応援している。アンシーを薔薇の掟から解放したいという目的が、アンシーのためではなく自分自身のためだと気付かされ、ミッキーは負ける。

少女革命ウテナ』の決闘において、ウテナが実力で勝つことは意外に少ない。ウテナとの決闘中、対戦者は自らと闘っており、自問自答に耐えかねて決闘ゲームに負けてしまう。

ミッキーの、「アンシーを薔薇の掟から解放したい」という目的は、結果論としてウテナとなんら変わらないことに今更気付いてビックリ。利他が利己であることに気が付いてしまうか、気が付かないぐらい目的に埋没してしまうのか、ミッキーとウテナの違いはそれぐらいしかない。