Lonesome No More!

http://www.asahi.com/international/update/0412/TKY200704120173.html
カート・ヴォネガットが亡くなった。
ぼくはもうヴォネガットの本を読むことはないのだろうけれど(飽きたとか嫌いになったとか否定的な意味ではなく、日本語に訳された著作は全部読んでしまったので)、なんだかちょっとショック。
ヴォネガットといえば、大江健三郎が初期の村上春樹の作品を「海外の作品をよく読んで勉強している」と評していて、日本ではまだあまり知られていなかったヴォネガットを「クルト・ヴォネグット」と書いていたのを思い出したので、書き留めておく。
その他ヴォネガットと言えば…
・どの作品もほぼ満遍なく好きだけれど、『猫のゆりかご』は別格。最初に読んだやつだし。確か、山本直樹『ビリーバーズ』が好きで、それに似てるという話を聞いたから読んだはず。
・『モンキーハウスへようこそ』を読んで、短篇が意外と美味しいことを知るべきだと思った。
・本編の内容はわりと忘れちゃうけど、断片的なフレーズはすごくよく覚えているし、ものすごく引用される。「愛は負けるが、親切は勝つ」とか「小説家は炭鉱のカナリア」とか「いろんなことがあるけれど、私はまだ人間は心の底では善良なのだと信じています」とか「神よ願わくばわたしに 変えることのできない物事を 受け入れる落ち着きと 変えることのできる物事を 変える勇気と その違いを常に見分ける知恵とを さずけたまえ」とか 「そういうものだ」とか「プーティーウィ?」とか「借りちゃった テント、あ テント、あ テント」とか「ハイホー」とか「排泄物がエアコンに」とか。そして、それらはしばしば本編ではなく前書きであり、そしてさらに引用でもあった。
・あ、キルゴア・トラウト『貝殻の上のヴィーナス』はまだ読んでないや。