コープス・ブライド

ティム・バートンは大好きなのに、わりと久々に監督作品を見るリトおろかなわし。映画館以外で映画見るってけっこう覚悟がいるんじゃよねー。はまっちゃえば大丈夫なんだけど、堪え性がなく飽きっぽい性格に拍車がかかっているノデ、テレビの前でじっとしていることが出来ないの。
ストップモーション・アニメーションとは思えないほどの滑らかな動きにうっとりしてもうたー。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』と比べると技術の差が歴然じゃよねー。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のちょっとギクシャクした動きには味があるけれど、『コープス・ブライド』の滑らかさは比較できないほどすごすぎる。登場人物のほとんどがモンスターだった『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』と違って、『コープス・ブライド』は生身の人間という設定のキャラクターも多数出演しており、『コープス・ブライド』における生者の表情の滑らかさや豊かさは技術と執念の勝利だと言い切れる。ヴィクトリアのお父さんが無理矢理笑おうとするところとかおもしろいなー。ってゆうか、『コープス・ブライド』では骸骨覆面系の無表情なモンスターじゃなくて、顔だけ見たら人間そのものの死者もたくさん出てていて、彼らの表情の変化も楽しすぎる。
生者の世界が薄暗く、死者の世界はカラフルに作ってあるらしいけれど、言われるまであんまり気がつかなかった。キャラクターたちの動きのおもしろさが色味の違いを忘れさせてしまっていたみたい。生者の世界は『カリガリ博士』を思い出させるね。ドイツ表現主義なのか?(言ってみたいだけ)
人形を使っているというかんじがあんまりしないところがおもしろかった。人形を使っているから映像に立体感があるのは当たり前のことなんだけれど、動きが異様に滑らかなせいか、画面のそこかしこからなんとなく平面的な匂いもしていて、厚紙を張り重ねて平面的な絵にちょっと立体感をつけたような独特の映像感が堪らんのよね。こうゆうところからも、歪んだ書割の街を生身の俳優が闊歩する『カリガリ博士』を髣髴とさせているような気がする。
花嫁が墓場から蘇るところとか、食卓に並んでいるところに死者があふれ出すところとか、なんか『ビートルジュース』を思い出させるシーンが多くてうれしかった。死因が死後の姿に直結するとぼけた死者のデザインも『ビートルジュース』寄りな気がする。
執事が好き。鼻をつんと上げててってけてーと歩く姿がとてつもなく愛らしい。