プラトーン

アメリカ人がベトナム戦争映画を作ると反省がないという典型的な見本じゃろかー。ベトナム人のことは一切描かずアメリカ自身の問題を抉り出すと言えば聞こえはいけれど、あれだけベトナム人(ベトコンも民間人も)を殺しておいて「僕たちは自分自身と戦っていたような気がする」とかポエティックに〆やがるからおそろしいぜ。でも思ってたよりも説教臭くなくて最後まで楽しめてよかった。
 わりとビックネームが顔を連ねていてビックリしますね。ジョニー・デップも出てたなんて! チャーリー・シーンって今はどんな映画に出てるんじゃろか。
 トム・べレンジャーといえば『山猫は眠らない』と『野獣教師』であり、正義のベトナム帰還兵な印象が強いので、わりと憎まれ役を演じているのにビックリ。
 ウィレム・デフォーの吹き替えが大塚芳忠って、どう見ても最凶オールドタイプのヤザン・ゲーブルにしか見えねー! それなのに、書割のようなジャングルの夜空を見上げてセンチメンタルになったりもするわりといいかんじの軍曹を演じているギャップがたまんねー。
 戦場で恋人の写真を得意気に見せびらかすと死ぬので気をつけようと思った。『スクリーム』のホラー映画マニヤみたいな兵隊が「戦争映画のルール」をレクチャーしてあげればいいのにと思った。