フェノミナ

 『フェノミナ』あらすじ。ジェニファーは有名俳優の娘だが、事あることにアクシデントが頻発してどうもなんかの呪いがかけられてるみたい。色々な事に大変苦しみぬくし虫と仲良くもする。でもまた苦しみぬくよ? お楽しみに。ちょっと目を離したすきにまた苦しみぬいていました。
 ジェニファー・コネリー主演だしスイスの閑静な町が舞台なので格調高くジワジワ精神的に怖がらせる映画なのかなーと思ってみてたら、こわい場面でかかるBGMがヘビメタなのでずっこける。そしてあんまり伏線もなく展開しつつ生虫とかドロドロ死体プールとか生理的嫌悪を煽るイヤ映像が満載であり、とってもダリオでアルジェントな映画。あんまりこわくない。
 夢遊病でフラフラ彷徨って高いところで殺人を目撃、そのまま落下し、車に轢かれ、連れ去られかかり、走行中の車から放り出される、こんな超絶コンボがつながるヒロインは見たことねー! あと、ゲロを吐いたり、ドロドロ死体たっぷりの蛆虫プールに落とされたりもする。この時期、ダリオ・アルジェント監督にひろがりを見せたジェニファー虐め論の骨子は、 恐怖映像よりジェニファー・コネリーを虐めていたいというもので、これは映画を揺るがす危険思想であり、これを許せば『フェノミナ』はジェニファー虐め主義映画。
 ジェニファーが虫とテレパシーで会話できる虫大好きッコという設定がおもしろいね。ジェニファーが蛆虫にビックリするのは虫がキモいからではなく、蛆虫がサルコファゴスであり、サルコファゴスは人間の死体に湧く→近くに死体が→最近噂の殺人鬼もそばに?、という連想が働いたからだというのがおもしろすぎる。そして、殺人鬼に追い詰められて「虫を呼んでみろ!」と言われると、剃刀を装備したチンパンジーがやってくるのが不思議。
 死体に発生する虫の種類の周期でおよその死亡時期がわかるのって、ゲーム『スナッチャー』でもあったネタじゃよね。あのゲームの監督はなんでもかんでも引っ張ってくるなー。
 ゲーム『クロックタワー』がこわくて出来ないので代わりに見てみたら、本編開始前と終了後に『クロックタワー2』のCMが入っていてギャワー。
 あと、寄宿舎の先生がいいかんじにサドってたので期待していたら、あんまり出てこなくて残念だった。