アレホ・カルペンティエール『時との戦い』を読み終わる。さすが「時間の魔術師」と呼ばれるだけあって、タイトルの示すとおりに3編それぞれ趣向を凝らして「時間」を扱っていて、わずか100ページ3篇を収めた短篇集なのにお腹いっぱい。とくに『聖ヤコブの道』は、初読で仕掛けに驚いたあとでも繰り返し読み直したくなるような凄まじい「時との戦い」を堪能させてくれて大満足。
 次はフィリップ・ロス『われらのギャング』。