修羅雪姫

 オープニングクレジットでいきなり『修羅の花』が流れるのでもう辛抱たまらん。
 手足が飛んだり、血が噴き出したり、胴体まっぷたつだったり。でも残酷には感じないし、行き過ぎたスプラッターによくある笑いも起こらないのは、凄惨極まりない主人公・雪の復讐行に感じ入ってしまっているからなんじゃろか。刑務所の中で次々に男に身を任せ雪を孕んだ母は、殺された夫と息子の仇を討つための復讐の手段としての子を欲していたのだった。全編これ「親の因果が子に報い」という日本的な怨念の精神を形にしたようなストーリーなのがおもしろすぎる。
 仇の4人が雪の母を見下ろしている構図といい、渋い師匠のナレーションがところどころで入るところといい、3人の仇(1人は雪の母親が殺している)を追い詰める過程を章立てにしていたり、「この顔に見覚えはないかい? あんたが嬲りものにした女の顔にさ」と仇を問い詰めるところといい、どうにもこうにも『キル・ビル』すぎる!! 『キル・ビル』のザ・ブライドとオーレン・イシイには、修羅雪の影が映し出されており、ザ・ブライド・とオーレン・イシイの決闘が無闇に盛り上がっていたのは必然だったんだなーと思った。ってゆうか、雪が仇を見つけたときパッパラッパッパパー(鬼刑事アイアンサイドのテーマ)が流れないのがふしぎなんじゃよー!
 ゲ、ゲェー! あんな綺麗に終わったのに、映像特典によるとなんか続編があるらしいですよ? 想像できなさすぎる。