狂い咲きサンダーロード

 『特攻の拓』みたいな週刊少年マガジンとかに一昔前に載っていたような、ややファンタジー気味な暴走族同士の抗争を描いた映画なのかなーと思ってボンヤリ見ていたら、小林稔侍演じる右翼(右翼組織『スーパー右翼』所属)が君が代を歌いながら出て来たりして、なんかドンドン変な方向に捻じ曲がっていっておもしろいね。
 あれあれあれと見ているうちに、最後には暴走族連合+右翼+警察VSひとりマッドマックス(はぐれ暴走族。右手が鉤爪で、左手にショットガン)の銃撃戦になってしまったので腰を抜かす。なんじゃこりゃー。
 風景はうらびれた80年代の日本なのに、背景にちょっと変な小道具混ぜ込んだりとか、変なカメラのアングルとかで変な世界を作っていて楽しかった。でもこの映画の舞台がまったくもって日本であることは疑いようがなくて、廃工場とか寂れた街の風景にダイナマイトの爆発が派手に粉塵を巻き上げているのを見てると、なんか80年代の特撮番組を見てるような。右翼凱旋カーにマシンガンを取り付けて爆走してくるのをバズーカで迎え撃ってるあたりとか、周りの風景は明らかに日本なのに無法地帯で無国籍な雰囲気が『快傑ズバット』みたいで不思議だなーと思った。ナチスジャガーとか混じってても違和感なさそう。