24話『避けては通れぬ道』

 ギャワー! せっ切腹させられるー 助けてー 芹沢ティーチャー!!(策士溺れる。)
 新見錦の始末法としてはこれ以上はないという見事な手並み。むしろ、新見錦ともあろう者が状況の変化に慌て交渉相手を侮りすぎたこと、土方の甘言に踊らされ、山南の決意に気がつかなかったのが敗因なんじゃろかー。新見錦の粛清に利用されたカーモちゃんだって、馬鹿じゃないから新見の次は自分だってわかっているけれど(帰ってきて怯えるカーモちゃんが良かった)、あの場で自分を裏切っていた新見を助けるわけには行かないものなあ。残念だが新見錦にその場を切り抜ける性能はない。そして無駄死に。無駄死にだが無駄にかっこよいのはいったいどうゆうことじゃろかー。妙にサバサバとその場で切腹の準備をしつつ(どん百姓の土方にはこんなに鮮やかには出来ないだろうという嫌味かも?)、ヤケクソ気味に芹沢や山南に呪詛を浴びせかけていてカッコイイ。新見錦の死の真相とか、史料がない部分をこうやって補ってくれるとおもしろいね。『燃えよ剣』みたいに、とりあえず酔わせたあとテキトーに斉藤あたりに送らせてバッサリ、じゃなくていろいろ作ってくれると楽しそう。
 ってゆうか、新見錦の現状把握はそれほど間違ってはいなかったのに。芹沢に忠誠を尽くしたところで、どうせ芹沢からも隙あらば斬られることもわかっていたんだろうけれど(前回芹沢に「腹を切れ」と言われたときの新見錦の表情の変化がすごく良かった)、でもああも簡単にカーモちゃんを裏切ってしまったことがややショック。なまじ頭が回るから、芹沢派から近藤派への乗換えを考えた、そのきっかけがルール無用の残虐局中法度。そして局中法度の真意に気がついた新見錦の動揺を読みきった土方・山南の作戦勝ちといったところじゃろか。ある意味、清河の建白書の真意を読み取った新見に対して、自分も読み取れたのにはぶられた山南の意趣返しとも取れる(陰険過ぎる見方)。計略は、相手のレベルに合わせて立てなくてはいけないという見本みたい。秘めやかな謀略の段階を過ぎ、事態は最早見せしめのごとき殲滅戦に移りつつあったのだ。
 芹沢派排斥に意外と迷いがなく武断だった山南がおもしろいね。表向きは話し合いで行くことにしておいて、裏では土方と結託。彼の行く末はまさに新見錦の最期の言葉どおりなのだけれど、山南が死ぬとき土方に、そして近藤に、どんな言葉を浴びせるんじゃろかー。伊東甲子太郎を睨みながら新見錦と同じセリフを吐くのかにゃー。「先に行って待ってるぜ!」 
 あと、平助は「やさしい人ね」って言われた時点で攻略に失敗していると思った。ふでって攻略不能キャラっぽいってゆうか、平助自身がその、言い難いんじゃが、主人公タイプじゃないノデ。
 とうとう芹沢鴨を斬るのかー。これで近藤勇がどう変わるのかが見物じゃよねー。ってゆうか、『高機動幻想ガンパレード・マーチ』風に言えば、「ぽややん近藤」から「覚醒近藤」に変化するんじゃろか。きっとセプテントリオンが介入して、世界大将軍となった「青の近藤」は魔王として恐れられるようになるんじゃよ(アルファ・システムに騙されている)。