第15話『その梢の指す風景』

脇役にスポットがあたりまくる黒薔薇編。主役であるアンシーとウテナ(この順番が圧倒的に正しいと確信している)を対照させるために存在する生徒会のメンバー、その生徒会メンバーを主役として見立てさらに脇役たちの視点で対照させるという、黒薔薇編の倒錯っぷりがたまんねー。どこまで脇役を脇役として使い切るつもりなんじゃろか。

第5話、第6話で描かれてきた兄妹の関係性は、ミッキーから見た梢、すなわち遠すぎる血縁関係である「近いくせに遠すぎる、なんかわけのわからん存在である血縁」を表していた。黒薔薇編では、ミッキー視点からはわけのわからなかった梢の視点なのがおもしろすぎる。梢はミッキーに踏み込みすぎであり、梢だけが理解し所有するミッキーという近すぎる血縁関係がクローズアップされる。つまり「近いから近づけない、わかりすぎているがゆえにもどかしい存在である血縁」が赤裸々に描かれすぎであり、黒薔薇編はちょーさいこー。

血縁の遠さにしても近さにしても、他人から見たらなんだかサッパリわからない。放っておけばお互いにわけのわからないモヤモヤを抱えたまま止揚し続けるその関係を乱すのが、血縁関係が複雑すぎるアンシーというのがおもしろすぎる。

合唱曲はこの回が一番好き。過去へ未来へズビキュンシャズズン。

てゆうか、黒薔薇編の梢は素直すぎてかわいすぎる。てゆうか、七実さまもそうだけど、行動原理さえ理解して見れば、どちらもちょういじらしくてかわいい。自分が兄として見るとゾッとするが。