ルイージ・マレルバ『皇帝のバラ』 出帆社

ルイージ・マレルバ『皇帝のバラ』 出帆社

皇帝のバラ―幻想掌篇集 (1976年)
皇帝のバラ―幻想掌篇集 (1976年)千種 堅


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再読。『イタリア幻想短篇集』に収録されてたのがおもしろくて買った記憶がある。

嘘古代中国の話なのに、あんまり嘘っぽくみえないところが好き。どんなにトンチキなことでも、中国ならありえるかにゃーと思ってしまうのは差別なんじゃろか。莫大な国土と、膨大な歴史と、絶大な権力が揃えば、万里の長城みたいな無茶だって、なんだって起りうるのだと思えてしまう。古代でも現代でも、物語でも現実でも、中国はおとぎの国すぎる。莫言『酒国』とかもそんなかんじだったし。

絶大すぎる権力を持った皇帝が、つい出来心で無茶なことを言って、下が右往左往てんやわんやになる話。なんかあると、すぐ臣下の首が(文字通り)飛ぶあたり、中国っぽくあるし、おとぎ話っぽくもある。