『ラヴクラフト全集7』を読み終わる。つまんなくはないんだけど、いかんせんどの作品も短すぎる。ラヴクラフトの曖昧模糊として名状しがたく口にするのも憚られるような筆舌に尽くしがたい文体は、ある程度の長さがないと味わう前に話が終わってしまうんじゃよねー。短すぎる短篇では、わけのわからん事象ををわけのわからない言葉を積み重ねて描写する、あの独特の文体の効果が上がらないと思う。初期作品『錬金術師』が莫迦(『ランドルフ・カーターの陳述』風表記)な推理小説みたいでおもしろかった。探偵がいないと犯人も説明に必死だ。
 次は新城十馬蓬莱学園の犯罪!』。