4巻
リガ・ミリティアの全貌はまだよくわからないけれど、今まで沈黙を守ってきた地球連邦軍がようやく動き出したみたい。ウッソは両親を探すために、リガ・ミリティアは衛星軌道上のカイラスギリー艦隊と戦うためにそれぞれが宇宙に上がる。回をまたがって続く細かいエピソードの積み重ねとかよく練ってあっておもしろいから、本当は一話ずつ感想書きとめたほうがいいんだろうけれど、濃すぎてきりがないのでテキトーにメモ。
時代がやや前後しているけれど、ザンスカールの中世風の衣装とか、ギロチンに象徴される恐怖政治とか、ヨーロッパの古い都市を舞台にした戦闘とか、リガ・ミリティア(神聖同盟)とか、フランス革命・ナポレオン戦争・ウィーン体制あたりのヨーロッパの歴史を意識的になぞっているんじゃろか。
中立の引越し公社をめぐるザンスカールとリガ・ミリティアの駆け引きが楽しいね。中立地帯で先手を打つと面倒だから、挑発してライフルを抜いたところを撮影してから攻撃したり、リガ・ミリティアが引越し公社のシャトルを使う口実としてパイロットを銃で脅している芝居を撮影したり(マーベットが変態パンストテロリストに)。
ギャワー! 2話続けてシュラク隊が戦死! このままではいくら途中で補充があるとはいえ、話が半分進むまでに全滅しちゃう!と心配だったのだけれど、しばらくウッソとは別行動になるのでとりあえず死亡フラグは保留された模様。ウッソと一対一で話した隊員から死んでいるような気がするノデ。
ルペ・シノはしぶといなー。毎回戦闘に出るたびに機体は撃墜されているのに、ちゃっかり脱出しているのは腕のいいパイロットである証拠なんじゃろかー。腕のいいパイロットといえば、バイク乗りの楽園を夢見るドゥカー・イクが再登場、「バイク乗り魂を見せてやる」とか言ってるくせに乗ってるのは変な水中用モビルスーツ(戦闘前から浸水中)。そりゃそんなことじゃリーンホースの宇宙行きは止められません。だってほら、バイク乗ってないと不安な気持ち…わかるでしょ?
ファラ・グリフォンがギロチンに追い詰められていくところがおもしろい。旧バルセロナでのギロチン騒ぎといい、身分を隠しているときに仲良くなった子供たちがファラの正体を知るや否やニュング伯爵のギロチン処刑のことで責め立ててきたり。ファラに下された軍事裁判の判決が宇宙漂流刑というのは、ファラ自身が自嘲気味に言っていたように皮肉すぎる。なーに、ファラは強い子だ。きっともっと大きくなって帰ってくるさ(鈴の音を響かせながら)
なんかクロノクルとカテジナがすっかりいいかんじに。クロノクルからの電話を受けたカテジナの声は乙女チック。そして空港でカテジナに追いすがってすげなく追い返されるウッソは負け犬ストーカーすぎる。まだクロノクルがリードしているので、どこをどう間違ったら「クロノクル、来い!」になるのかサッパリなのじゃよー。
宇宙のザンスカールの人や太陽電池の子供たち(そういえばなんか子供の数が足りないと思ってたら、ここで合流するのね)は初めてウッソを見るので、慣れてきたウッソのスペシャルぶりに改めて脅威を覚えてみた。マーベットは「またあんな子供に頼っている」と愕然とし、マルチナは「アレがニュータイプってやつなんじゃろかー」と言う。ウォレンに至っては「あいつおかしいんだよ」扱い(おかしい=スペシャル)。ザンスカールの人に「子供を戦争に使うなよ」と正論を言われたりもしたが、「ギロチン使ってる変態に言われたくねーよ」と言い返すことでなんとか面目を保つことに成功した。どっちにしろひどい戦争ではあるわけだ。