3巻

 Vガンダムって後半のカテジナの暴走とかバイク戦艦とか無駄死に頻発とかセンセーショナルなところだけがおもしろいかったのかと思ってたら、見直すとビックリするほど緻密に話が作られているのでビックリしますね。戦場で突然地面に穴を掘って種を埋めだすシャクティは、本放送視聴時は子供だったせいもあって素っ頓狂な絵面だけが強く印象に残っていたのだけれど、じっくり最初から見ていると、シャクティの家にある写真→クロノクルがシャクティを気にしている→シャクティの母親は花を目印にシャクティを探しに来る→戦争でカサレリアを離れなければいけない→花を植えて目印にしなくちゃという一連の流れがあってのことだったので納得できる。登場人物の行動は、なんらかの流れとか意味があってのことなんじゃよねー。素っ頓狂なことには変わりないけれど。
 戦闘シーンもおもしろい。ビームシールドがあるから遠距離でのビームライフルの撃ち合いは牽制でしかなくて、一撃必殺ではなく相手の手足を削ぎ落としていくことに意味があるし、手足を狙う攻撃と避ける手段としての分離・合体機能をおもしろく見せている。素早く動いて避けるだけではなく、いかに受け流すかという戦闘。ウッソが強いのは奇策を弄するからじゃろか。
 昔は、ウッソはスペシャルだから強いんだなーと単純に思っていたけれど、今見るとウッソが落とされないのはザンスカール側の事情によるところも大きかったことに気がつく。ザンスカールは敵の新兵力であるガンダム(宇宙移民から見れば悪魔的存在)を捕獲しようとして手加減しているし、パイロットが子供であることに動揺して攻撃を躊躇うこともしばしば。あのデプレ(趣味はキャラオケ)でさえ、Vガンダムを操縦しているウッソを見て「俺の子供のほうがまだ大きいぞ!」と動揺して撃墜から捕獲に命令を変更してるし。
 オリファーと彼女たちだけの蜜あふるる約束の部隊、シュラク隊がいよいよ登場なんじゃよー。オー シュラク隊 ベリーナイス マーベットは嫉妬した。彼女たちの鮮烈な活躍を見るとドキドキするね(悪い意味で)。案の定、初登場の次の回でいきなりヘレンが死にました。シュラク隊には死ぬとわかっていても死なねばならん時があるんじゃろかー。「あのへレンが……一番シュラク隊にあっていて、鳥のモズそのものって性格をもったヘレンが。あの戦場でやられたっていうの」って言われてもにゃー。ジュンコと並んでなんとか他のメンバー区別がつく人だったので残念。
 ゴメス艦長って宇宙に行ってからの活躍のほうが印象に残っているから、引越し公社所属に偽装した輸送機の機長として登場したのでビックリしますね。
 ルペ・シノも死ぬ間際の切れっぷりの印象が強かったから、思ってたよりも物腰が柔らかくてビックリ。あとでいろいろあってああなっちゃうんじゃろかーと思ってたら、いきなり情報提供者を射殺していたので、ああ、あのルペ・シノさんだと思った。イエロージャケット所属のルペ・シノは、場合によっては情報提供者を皆殺しにしてもいいのである。
 ギロチンが置かれてた広場って、サグラダ・ファミリアの前なんじゃろかー。この時代でも完成してないっぽい。

  • シュラク隊残高
    • + ジュンコ、マヘリア、ヘレン、コニー、ペギー、ケイト(10話『鮮烈!! シュラク隊』で加入)
    • − ヘレン(11話『シュラク隊の防壁』で、輸送機を守るためにトムリアットと相討ち。死因はコクピットを殴られての圧死)
    • 残高 オリファー、ジュンコ、マヘリア、コニー、ペギー、ケイト 計6名