新今宮の後輩宅でお昼前までダラダラ過ごしたあと、大阪は不案内だという古本バカ一代後輩といっしょに古本屋巡り。
 噂には聞いていたけれど、実際目の当たりにする古本バカ一代後輩の買いっぷりに度肝を抜かれる。両手に抱えた本をレジに積み上げているのにもビックリするけれど、店員が会計している間も忙しく周囲に視線を走らせ、レジ脇の仕分け用棚に置いてある本に目を留めると素早く手に取り吟味、会計の済んだ本を袋に入れている店員に「これもください」とさらに本を積み上げていく様には感動すら覚える。
 こんな調子で買い続けるから、難波・心斎橋とブックオフを回った時点で彼のバックパックは歪な直方体と化していた。ってゆうか、古畑任三郎で凶器に使えそうなぐらい鈍器に近い物体。ガッツが振り回せば使徒どころかゴッドハンドも倒せそう。階段の脇で袋を詰め替えて、まるで隙間を畏れるかのようにバックパックの隅々にまでみっしりと本を入れている姿に慄然として、思わず「ほう」と鈴のころがるような声が出た。
 梅田ヘップファイブ裏手の古本ビル、カッパ横丁と来たところでお開きということに。暑さにばてたというよりも、バックパックに入りきらずに手に本の入った袋を持たざるを得なくなったところで、輸送能力の限界に達したかららしい。とゆうことは、数学的に無限の容積を有するバックパックがあると仮定したら、ヤツはそれを満たそうとひたすら買い続けるんじゃろかー。さすが、自分の部屋にある本を処分するためにネット古書店を開業し、ネット古書店の在庫を増やすために本を買うというギリシャ時代の哲学者の逆説みたいな人生を体現しているだけのことはある。古本バカ一代後輩……おそろしい子……!(白目)
 昼過ぎに帰宅。大阪よりも京都のほうが涼しいにゃーと暢気にドアを開けたら、ゲ、ゲェー! 畳がグチョグチョ。窓を開けっ放しにして外出している間に雨が降ったみたい。ってゆうか、洗濯バサミで留めて干してあった洗濯物が吹き飛んでたり、物干し竿にかけてあったハンガーの類も下に落ちてたりで、結構な暴風雨だったみたいですよ? 窓際に本を積んでおかなくてよかったー。ヴォルマン『ザ・ライフルズ』が雨の吹き込んだギリギリのところに置いてあって、ドキドキしますね。