シュテファン・ツワイク『ジョゼフ・フーシェ』はおもしろいのだけれど、読んでいるとどんどん人間が歪むので、ここはジェフ・ヌーン未来少女アリス』に浮気せんとす。あと、『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』のパロディというと真っ先にハーバート・リーバーマン『魔性の森』が思い浮かぶわしは、なんかダメだと思う。スティーヴン・ミルハウザー『アリスは、落ちながら』も好き。そうじゃよねー、落下はそれ自体がすでに冒険として完成されているんじゃよねー。
 あー、トム・デミジョン『黒いアリス』読みたいなー。クリスマス・イヴの夜、古本屋のショーウィンドーの前で指を咥えているわしの前に裕福そうな身なりのおっさんがあらわれて「ボウズ、あの本が読みたいのかい?」とか言って買い与えてくれないじゃろかー。だいたいネットの目録ですら売ってるところすら見たことがないんじゃが。